(ちょっと変な雰囲気だったけど、用事ってなんだったのかしら)

携帯電話をテーブルに置くと、奈緒はふっと小さくため息を吐いた。 (せっかくオシャレしたのに......) 姿見の前に歩を進め、鏡のなかに映る自分の姿をぼんやりと見つめる。 しっとりとした色調の、ワインレッドのワンピース。 サテン織のしなやかな絹布は、成熟した女体を締めつけるように貼りついて、官能 的なボディラインを浮き彫りにしている。

Vの字に切れこんだ胸もとには、細い金属チェーンがスニーカーの紐のように交差 し、その隙間から乳房の谷間が完全に露呈している。 ウエストをきつく絞った革ベルトは、大きく派手な金色のバックルに飾られている。

裾は股下五センチ。かろうじてヒップを隠す程度しかない、危険なまでにミニのボ ディコンシャスなデザイン。 (昇君にはちょっと刺激が強すぎるかしら?)

男を挑発するだけが目的のような、妖しい色香を漂わせるコスチューム。ほんの少 し伸びをしただけで太腿の付け根が露出し、漆黒のパンティまでも見え隠れしてしまう

 

(大好きなTバックも穿いてあげたのよ......)

姿見にヒップを向け、両の手のひらで双丘を押さえつけながら、ミニの裾をすりあ げてみせる。丸く盛りあがった尻肉の割れ目に、細い縄のような布切れが食いこんで いる。 (ストッキングも、色っぽいでしょう? ガーターベルトなんて見たことある?) 自慢の美脚は、ラメ入りのダークブラウンのストッキングに包まれ、豪華な刺繍の 施された黒いガーターベルトに吊るされている。 (全部、昇君のためなのに......) ・デートがキャンセルされた不満を、心につもった鬱積を晴らすように、奈緒は淫ら な一人芝居をエスカレートさせていった。

 

「フフフ、前も見たいのね、いいわよ。ほらぁ......見てえ。この前のTバックよりず っと小さいでしょう?

自らの視線を、少年の眼差しにすり替えながら、下腹部に吸いついたサテン布をめ くりあげてゆく。

鋭角な、逆三角形のフロント部分は、薄めの恥毛さえ隠すのが精いっぱいなくらい 小さい。Tフロントと言っては大げさだが、極めて狭いVの字を描いて恥丘の膨らみ に貼りついている。

超ハイレグのラインを上にたどってゆけば、腰骨に達する場所で完全な「紐」とな る。それは下をたどっても同じだった。

V字の突端は、盗まれたTバックとは比較にならないほど細く絞られ、股間を締め あげながらヒップにまわっている。 ・クロッチの部分は、小陰唇を隠すのが精いっぱい。少しでも股を開けば恥ずかしい 肉ビラが波を打ってはみだしてきそうだ。 (こんなパンティ、誰が穿くのかしら?)

ふと、自分で穿いていて白々しいと思い、苦笑いを浮かべる。 (そうね。私みたいに淫らな女が穿くんだわ......フフフ、そうね。そうに決まってる。

 

こんなふうに、アソコに食いこませてね!)

意識して股を開き、ゆっくりと部屋のなかを歩きまわれば、紐のクロッチは細かい 皺を寄せてよじれ、グイグイと女裂の奥にめりこんでくる。 「見てぇ!ほらぁ、こ、こんなにぃ......こんなに食いこんでるぅ!

姿見の前に腰をおろし、M字に股を大きく開いて局部を映しこむ。 (あぁっ、すごいぃ......すごくエッチぃ......) ,感じやすい牝肉はもう、乳白化した蜜汁にねばり、クレヴァスに食いこんだ黒布を 糊づけしている。 - 細クロッチの左右からは完全に、沈殿色の肉弁がはみだしてしまっている。その様 はまるで、Tバックの股布で猿ぐつわをされたかのような光景だった。 - フロント布に指先をかけ、さらに引っ張りあげてみれば、はみだした唇はいびつに 波打ち、ふしだらに突起した肉真珠さえこすりつぶしてゆく。 「んっ......ああ、いやらしい!なんて、いやらしいの!

鏡に映しだされた恥部に瞳を貼りつけながら、自分自身を罵ってみる。 「へ、変態よぉ! パンティをこんなに、オ、オマ......オマ×コにい、食いこませて 喜んでるなんてぇ! オマ×コしごいて......気持ちいいなんてぇ!

 

意識して卑猥な言葉を口にすれば、なおさらに魔悦が募る。 もっと刺激的なことがしたい。そうでもしなければ、肉体の疼きがとめられない。 (あぁ、昇君に、こんなエッチな私を見てもらいたい!) 日頃から抱いていた欲望が、魔性めいた露出願望が次第に目覚めてくる。 (見られたい......そうよ。私、見られたいの! どうしようもなくエッチな私を見て もらいたいの!)

切羽つまった欲情に駆られ、奈緒は不意に腰をあげた。 (そうよ! あのパンティを試してみるの!) レディース雑誌の通信販売で購入した、今朝届いたばかりの新しいアイテム。 購読しているその雑誌には、本当かと疑いたくなるようなオナニー手記まで載っている。

 

呆れるほど淫らな一人遊び。しかし、読んでしまったあとでは、自身の肉体で実践 してみたくなってしまう。

どんなに気持ちがよいのだろうかと、ふしだらな夢想に浸ってしまう。 (私って、どうしようもないわね。本当に、淫らな女だわ......) 貪欲なまでの性欲に、自分自身呆れながらも迷わずに小包の封をとく。

 

うっすらとパウダーがまぶされた飴色の生ゴムパンティ。 (こ、こんなパンティを本当に穿くの?)

あらためてレディース雑誌を開き、投稿記事を読みかえす。 「こ、このひと......変態だわぁ。こ、こんなことするなんてぇ! あまりの淫らさに、思わず声をあげる。 しかし、自分はこれと同じことを今から、自身の肉体で実践しようとしているのだ。 何度も繰りかえしむさぼり読めば、投稿主の失神しそうな快楽までも生々しく伝わ ってくる。ドキドキと鼓動が早鐘を打つ。理性が鈍り、正常な感覚さえも希薄になる。 「んぅ、もう......私ったらぁ!

呆れ声で叫びながら、奈緒は分泌に濡れまみれたTバックを一気に足もとまでおろ すと、すぐさま薄ゴムのパンティに脚を通していった。

潤滑油代わりのパウダーがなめらかなストッキング布にすべり、膝上までは難なく あがってゆく。しかし、太腿に差しかかったとたん、きついゴムの収縮が肉を締めつ ける。 「んっ! ・強引に、力任せに引きあげてゆく。

 

太腿の一番厚い肉を過ぎれば、あとは楽だった。 (あぁん、ぴちぴちぃ) 数本の横皺を寄せ、張りつめた生ゴムがウエストに食いこみ、下腹部を締めつける。 さらに股間をしごくように持ちあげれば、生ゴムは痛々しいまでに肉唇を押しつぶ し、女陰に圧着する。 窮屈なのに、そのタイトな圧力がなぜか心地いい。 腰までめくった裾をおろし、サテン布を撫でつけながらヒップにフィットさせる。 Tバックとは違ったパンティラインが、表地にクッキリと浮かんで見える。

姿見の正面に立つ。先ほどとなにも変わらないボディコンスタイルなのに、下に穿 いた変態パンティを思えば、その姿は不思議と倒錯的に見えてくる。 ふたたび裾を持ちあげてゆく。 ダークブラウンのストッキング、太腿のストレッチレースが露わになる。レースの 飾りを過ぎれば、白い太腿の付け根がしどけなく顔をのぞかせる。さらに裾をめくれ ば、異形のゴムパンティが露わになる。

なだらかな恥丘の膨らみに、ゴム皮がビニールラップのように貼りついている。薄く伸びきり半透明になった飴色の下には、繊毛がまるで海草のようになってうごめいている。

そのまま腰をおろし膝を立て、大きく股を開いて、恥部の有様を映してみる。 「あぁ......な、なんて、いやらしい......

鏡のなかの光景に、思わず吐息をもらす。 生ゴムに押しつぶされた女性器は、裂かれた赤貝のように平たくひしゃげ、そこだ けが別の生き物のように妖しく変形している。 倒錯した自らの性欲を物語るような、あまりに卑猥で、限りなく淫らな造形。 節操なく、飢えた牝肉は涎を流し、生ゴムの内側にはヨーグルト状の分泌がびっし りとこびりついているではないか。 「い、いやぁ......こ、こんな形に......

あまりの恥ずかしさに目を伏せながらも、指先をそっと開ききったクレヴァスの奥 に沈ませてみる。軽く割れ目をなぞりながら、芽吹いた粒肉を指の腹で押してみる。 「ふぅ! キュンッと内股がすぼまる。 (今からもっと気持ちよくしてあげるからぁ......) 性欲に溺れた自身に甘くささやきかけると、奈緒は昨晩のまま、ベッドのたもとに脱ぎ捨てられたショーツガードルを手に取った。

クロッチに縫いつけられたピンクローターを、糸を切って取りはずす。 「ほらぁ、これを......オマ×コの割れ目に.........

奈緒は催眠術でもかけるように、ピンク色の淫具を眼前でゆらゆらとさせながら、 いちだんと大きく股を割っていった。 (ほら、ここね? ここでしょう?)

張りつめたゴム膜の脇から、ピンクローターをすべりこませ、クレヴァスの先端に あてがう。 (あぁ、素敵...クリちゃんに......んぅ、すごい!) 生ゴムの張力に、ショーツガードルとは比較にならないほど強く、楕円球は真珠の 膨らみをねじつぶす。 「ス、スイッチ......い、入れるよぉ...... 自分自身に訴えかけると、ほんの少しだけスイッチをスライドさせる。 かすかなうなりをあげ、ローターは小刻みなバイブレーションを発生させる。 「ひぃっ、うぅふぅっんっ! 奇妙な喘ぎとともに、はしたなく内腿が痙攣を起こし、腰が砕けてしまう。

 

「まだ、だめぇっ、はぁうっ、んぅ......つ、つぎぃ......入れなくちゃぁ」

スイッチを入れたまま、生ゴムパンティのウエストにコントローラーを挟み、這う ようにベッドへ近づいてゆく。 枕もとの引き出しから、もう一つの責め具を、黒光りする張り型を取りだす。

黒棒の根元を握りしめ、パンティを着用したまま、股間のゴムを横にずらしてゆく。 プルンッとゼリーのように片方の肉唇がはみだし、白蜜を湛えた肉口が露呈する。

蕾はすでに男を求めるように、柔らかく口を開けている。 ディルドーの先端を、膣口にあてがう。焦らすことはしない。いや、できなかった。 グッと力をこめてシリコン棒を押しこむ。 「ふぅあ... 最上の愉悦が性感を震わせ、極上の快楽が全身に沁み渡ってゆく。 眉を寄せ、目を細め、だらしなく口を開いた顔が鏡に映る。苦痛とも快楽ともつか ない、複雑で淫猥な表情。 (私って、こんな顔をするんだ......あぁ、こんな顔でセックスするんだ) 欲情した自らの顔を見つめながら、さらに深くディルドーを挿入する。 蕾を押し開きながら亀頭が沈み、一番太い、カリが埋まった瞬間、ゴリッという肉鳴りが鼓膜の裏に響く。 「くうぅ... ゆっくりと、いたわるような抽送を繰りかえす。雁首の括れに襞肉がこすられれば、 腰は一人勝手に前後をはじめ、奥へ奥へと導こうとする。

少しずつ、大きくストロークさせる。ねばりの強い淫水がかき混ぜられる、グチュ グチュとガムを噛むような湿った音が聞こえてくる。

膣は次第に柔らかくほぐれ、黒シリコンの塊りを深く呑みこんでゆく。 「んんっ......

キュッと下唇を噛みしめ、ディルドーの「底」を手のひらで包みこみ、腰を押しだ しながら一気に根元まで突進させる。 「おおぉっんっ! あまりの衝撃に、喉の奥から呻きがもれる。 情火の滾りに力加減をあやまり、隆々とした擬肉の棒は、子宮口さえ突きあげた。 (あぁ......入ってるぅ、奥までぇ......) 体液に濡れ光るシリコン棒は、ツーフィンガーほどを余して牝の胎内に埋没している。

 

蕾は無惨に開口され、ビッチリとディルドーがはまりこんだわずかな隙間から、ド ロドロと白い汁が滲みでている。

奈緒はディルドーのコントローラーを、ピンクローターとは反対側の腰に挟むと、 無機質な凶器に凌辱を受けている女陰を見つめながら、脇にどけていた生ゴムをかぶせた。

 

「いっ、あっんっ」 薄く伸ばされた生ゴムの張力に、ディルドーは膣の奥をうがったままで固定される。 胸を高鳴らせながら、パンティのウエストに挟んだスイッチに手を伸ばす。 ピンクローターは休むことなくクリトリスを震わせている。このままディルドーさ えも動かしたら、いったいどうなってしまうのだろう。 ふしだらな期待感に生唾を呑みこむ。ゴクリッと不躾に喉を鳴らす。 唇を結び、奥歯を噛みしめる。小さくうなずいて覚悟を決める。 カチッ... 「おおおぅんっ! んっ、んっ!んぁ......!

低いうなり音をたてながら、螺旋状に動きだすシリコンの塊り。 「んふっ、あっ、おおおぅ!

 

弾けそうなまでに膨らんだ肉芽を叩くローター。 敏感な、女の急所の二点責めに悶え、恥知らずな喘ぎが部屋のなかに響く。 (す、すごいぃ!すごい、すごいぃ!)

津波のような快美感に全身が粟立つ。両手は無意識に、密着したボディコンの上か ら乳房をわしづかみにする。手にあまるほど豊かな柔肉を、ボディコンもブラジャー もかまわず、根元から絞りあげる。

指の先では硬く膨らんだ乳首をつねり、肉が鳴るほど痛くつぶしてゆく。 「いい......ひぃんっ! 天をあおぎ、のけ反るように後ろへ倒れこむ。 したたかに頭を床に打ちつけても、下腹部の痙攣がとめられない。 膝を立て、腰を宙に突きあげ、空虚なセックスを仕かけてゆく。 「んっあっ......いっ、い......くぅ! ビクッビクッと腰が弾け、甘い絶頂感に見舞われる。 しかし、終わりじゃない。体験手記にはまだ、つづきが綴られているのだ。

 

弾けそうなまでに膨らんだ肉芽を叩くローター。 敏感な、女の急所の二点責めに悶え、恥知らずな喘ぎが部屋のなかに響く。 (す、すごいぃ!すごい、すごいぃ!)

津波のような快美感に全身が粟立つ。両手は無意識に、密着したボディコンの上か ら乳房をわしづかみにする。手にあまるほど豊かな柔肉を、ボディコンもブラジャー もかまわず、根元から絞りあげる。

指の先では硬く膨らんだ乳首をつねり、肉が鳴るほど痛くつぶしてゆく。 「いい......ひぃんっ! 天をあおぎ、のけ反るように後ろへ倒れこむ。 したたかに頭を床に打ちつけても、下腹部の痙攣がとめられない。 膝を立て、腰を宙に突きあげ、空虚なセックスを仕かけてゆく。 「んっあっ......いっ、い......くぅ! ビクッビクッと腰が弾け、甘い絶頂感に見舞われる。 しかし、終わりじゃない。体験手記にはまだ、つづきが綴られているのだ。

 

(そうよ......これから、もっと素敵なことをするんだから) 「バイブレーターの、ディルドーのスイッチもそのままに、奈緒はよろよろと立ちあ がった。

腰までまくられた裾をおろし、乱れた胸もとを整えれば、サテンシルクのワンピー スはふたたび艶めかしいボディラインを作りあげる。ただ一点、腰の左右に忍ばせた コントローラーの膨らみが、麗美な曲線を崩してはいたが...... 「はぁ.........んふぅ......

責め具の愉悦に耐え、砕けそうな腰を伸ばしながら、ゆっくりと玄関に向かって歩 を進める。デートのために用意していた金色のハイヒールに爪先を通す。 形だけのセ カンドバッグを持ち、扉のノブに手をかける。 理性のためらいも、パールローターの刺激が、ディルドーの悪戯が振り払う。

表に出て、日の光を浴びればなおさらのこと掻痒感が募ってくる。通り過ぎる車の音、人々の声。昼間の雑踏に露出ごころが煽られる。

階段を一歩二歩、手すりに身を任せながら、少しでも刺激を強めないようにそろそろと降りてゆく。

駐輪場から自転車を出す。フロントのバスケットにセカンドバッグを置く。 ディルドーのうねりを胎内に感じながら、とろけた眼差しをサドルに向ける。 (こ、このまま自転車に乗るなんて......あぁ、すごいわ!) | フレームをまたいで右側のペダルに足を乗せる。タイトの裾がすりあがり、太腿を 飾ったストッキングのレース生地が見え隠れする。 まだサドルには座らない。 ペダルを踏みこみながら同時に左足も乗せると、サドルの上で腰を浮かせたまま静 かに自転車を走らせる。 アパートの敷地から外へ、小さな段差を越えて私道に出る。 軽いショックに自転車が跳ね、膣からはみだしたディルドーの底が叩かれればもう 我慢などできはしない。 「はぁ......はぁ...... まるで全力疾走したあとのように息が荒くなる。 自転車を停め、あたりを見まわす。 日曜日の昼下がり。 私道の傍らに集まり、世間話に花を咲かせる年配の主婦たち。

 

ゴルフクラブを手に、素振りの練習をしている中年男性。 (人がいるのに......ああ、私ったら......) 錯覚かも知れないが、見られているような気がしてならない。 人々の視線が気になって仕方がない。 (ああ、きっと見られてる......エッチな私を見てる!) 意識すればするほど身体の芯が火照り、魔性めいた昂揚感が募ってくる。

螺旋にうねる肉棒を締めつけながら、少しずつヒップをおろしてゆく。ディルドー の底がサドルに触れれば、キュンッと内股がすぼまり、背がのけ反る。 「突いて......く、ください。ここで、奥まで突いてください」

蚊の鳴くような声で呟きながらサドルに腰をおろす。 「んぉっ......! 女陰を貫いたシリコン棒に体重がかかる。 膣をうがち抜いた棒の先端はさらに奥へと埋没し、内臓さえ突き破るかのように子 宮壁を押しつぶしてゆく。 「んうぅ...... 苦痛とも快楽ともつかない淫具の凌辱に、獣のようなうなりをあげながら、奈緒はついにサドルへと着座した。 !... ... 内臓の変形を確かに感じる。ものすごい圧迫感に声さえ出せない。 指二本分を余したディルドーは、今やすべて膣内に収まっている。 (うぅん、全部......あんなに大きいのが全部入っちゃったぁ!)

あまりの痛打に髪を振り乱しながらも、奈緒は決してサドルから腰をあげようとは しなかった。 バイブレーターは休むことなく、包皮のめくれた真珠肉をつつきまわしている。 (こ、このままじゃ、サイクリングなんてできないよぉ) 奈緒はハンドルを握りしめたまま、しばらく身動きがとれずにいた。 ネットリとした脂汗が額に滲んでくる。快楽より痛みのほうが明らかに大きい。 (痛いなら、やめればいいじゃない) わずかばかりの理性が、呆れたようにつぶやいた。 しかし、やめはしない。本当の自分の声ではないのだから...... 「ううん、痛くないの。気持ちいいの」 力をこめて声にすると、奈緒はヒップを持ちあげ、次の瞬間思いきりサドルへ性器を打ちつけた。 「うぅあ! その一撃に理性は粉々に砕け散り、赤裸々な情念だけが女体を熱く疼かせる。 倒錯に目覚めた奈緒にとっては、圧倒的な男の力にねじ伏せられているような、被 虐的な快楽とも言えた。 もはや自虐のエスカレーションはとめられない。 グイグイと、まるで臼をひくように、サドルの上でヒップを回転させれば、黒い凶 器に膣口は裂けんばかりにひろげられ、可愛くも無慈悲なローターに容赦なくクリト リスがひりつぶされる。 「んぉ、んっ、んふぅ!

しかし、女の肉体とは恐ろしいものだ。むごたらしいまでの凌辱にさえいつしか馴 染んでしまっている。

奈緒は腰をひくつかせながら、金色のヒールに包まれた爪先をペダルに乗せた。ふ らつきを必死に抑えながら自転車を走らせる。 ・ペダルを踏みこむたびに、ボディコンのヒップが右に左によじれてゆく。女陰をう がった器具も当然のように膣襞を、陰核を責めたてる。

 

わざと舗装の荒れた路面に車輪を向ければ、小刻みな振動が責め具の刺激をさらに 以増長させる。

「あんっ......おんぅ...... ひとこぎごとに、だらしない喘ぎがもれてしまう。 表通りに出れば当然のように、段差の多い歩道へ車輪を乗せる。 繰りかえされるスロープ。下りきったときの緩やかな段差に女体は感激し、乗りあ げるときの強烈な衝撃に女陰が悲鳴をあげる。 (もうすぐよ。もっともっと感じさせてあげるぅ!) 目指す先はすぐ近くにある森林公園。少年とのデートに選んでいたスポット。 日曜日の今日はきっと家族連れやカップルでにぎわっているはず。 そんななか、これほど恥知らずな格好で走りまわろうというのだ。 きっと人々は注目してくれるはず。 公園の敷地内にはおあつらえ向きのサイクリングコースもある。 (そうよ。エッチで変態の私を見てもらうのぉ!)

露出の快美にときめきながら、奈緒は痙攣する太腿に気合いを入れ、自転車のスピ ードをあげていった。

 

ほどなく眼前に緑の生い茂った場所が見えてくる。

表通りから脇にはずれ、道なりにサイクリングコースへ入ってゆく。ベンチに座っ たカップル、芝生で遊ぶ家族連れ。思っていた以上に多くの人々でにぎわっている。

努めてゆっくりとペダルをこぐ。 (ああ、見てるぅ......見られるよぉ!) 目の前を通り過ぎるボディコンシャスの麗人に、男たちは好奇な眼差しを向け、女 たちは侮蔑の視線を投げつけてくる。

生まれて初めて実践した過激な露出遊戯に、全身がバラバラになってしまいそうな 奇異の愉悦を覚える。 (んっ、だめぇ! 見ちゃだめえ......) 恥辱感に唇を噛みしめ、罪悪感に目を伏せながら観客の前を通り過ぎる。それでも、 腰は無意識にくねり股はふしだらに開いてしまうのだ。 (は、恥ずかしいからぁ......お、お願いい、見ないでぇ!)

セカンドバッグに隠されているとはいえ、正面から見られれば薄透けの生ゴムパン ティも、クレヴァスの合わせ目に沈ませているピンクローターもなにもかも見られて しまうというのに、手のひらは一人勝手にスカートの裾をめくっている。

 

(そうよ。見てもらうために来たんじゃない......ものすごくエッチで変態な私を見て もらうために......)

時折すれ違う自転車。唖然とした表情を見れば、その瞳になにが映ったのかなど容 易に察せられる。追いかけてこられたらどうしようと、かすかな危機感を覚えながら も、サドルの高いレーサータイプの自転車を見ては、あれにまたがってみたいと思っ てしまう。

細く硬いサドルはきっと、女陰を乱暴に嬲ってくれるはずだと...... (ほら、もっとね? もっとでしょう?)

肉欲に狂った自らに問いかけながら、右手を腰に伸ばしてゆく。サテン布に膨らん だバイブレーターのスイッチに、強弱をつけるコントローラーに指先を這わせる。

ゆっくりと「強」にスライドさせる。迷わずに端まで動かしてゆく。振動音がやが てヒステリックな高音となり、焼けただれたように赤剥けた豆肉を激震させる。 「ふぅ......ふぅ...... 下品な鼻息をもらしながら右手をハンドルに戻す。 代わりに左手を離し、腰へと伸ばす。ディルドーのスイッチを迷うことなく最大へ。 「おおぉっ、んぅ!

 

らせん 硬いシリコンは、膣肉をそぎ取るよ うに螺旋を描き、子宮壁をドリルのようにえぐ 公ってゆく。眉を寄せ、鼻に皺を作り、だらしなく開いた唇からは、唾液がとろとろと

こぼれ落ちている。

虚ろな瞳に後ろへと流れてゆく風景は映らない。ただ、すれ違う人々の視線だけを 感じている。

全身が汗ばむ。額から流れた汗は首筋に、白い肌を伝って胸もとへ滴ってゆく。脇 もヌルヌルとしている。マイクロミニの裾からは露呈した、生ゴムに包まれた下腹部 はなおさらのこと、多量の汗でグッショリと濡れ光っている。 (ああ......もう、だめぇ!)

波を打つように、繰りかえし襲いくるオルガスムスの感動に意識が飛ぶ。 ハンドルを握る手から力が抜ける。自転車が大きく揺らめいても、立て直すことも ブレーキをかけることすらできず、サイクリングコースの舗装路をはずれてゆく。 一瞬の後、コース脇の仕切りに、半円が重なり合った細い鉄柵に突っこむ。 前のめりに自転車から放りだされる奈緒。 芝生の、三組のカップルがいちゃついているど真んなかにボディコンの女体が転がる。

 

「あっう! したたかに背中を打ち、ダークブラウンのストッキング脚が投げだされる。 下腹部に貼りついたボディコンの裾はまるっきり裏返り、生ゴムパンティのすべて が露呈する。無防備に股が開かれ、自虐に泣き濡れた牝肉が卑猥な造形を晒す。

突然のアクシデントに、三人の男、三人の女が、あわてたように顔を向ける。一様 に息を呑んで、倒錯の痴態を見つめる。 事故のショックに、ふっと意識が正常に戻る。 かすんだ眼でまわりを見渡す。 「ひっ! 短い悲鳴のあとで、奈緒は全身を硬直させた。 十二個の、驚きに見開かれた瞳が自らの股間に貼りついているではないか。 熱い視線に恥部が、子宮が焼けこげる。つかの間、津波の昂揚が精神を崩壊させる。 (いっ......いやぁ!)

あまりの羞恥に声にならない悲鳴をあげる。しかしなぜだろう、性感に稲妻のような電流が走る。クリトリスが痺れ、膣が痙攣し、腰が大きくバウンドを繰りかえす。

「いっ!いくぅ! いぐうう......くぅ!

 

奈緒は恥も外聞もなく絶叫した。 身も心もぼろぼろになる、まさに生死をさまようような絶頂をその瞬間に極めていた。

 

(こんなことばかりしてたら、私本当におかしくなっちゃうわ)

公園からの帰り道、奈緒は自転車を押しながら、自分自身にほとほと呆れかえって いた。着馴れているボディコンも、今は恥ずかしくてたまらない。

今日はさすがに悪戯が過ぎた。局部が痛んでサドルにも座れないのだから...... (あの人たち、いったいどんなふうに思ったかしら?)

公園の、三組のカップルを思いだせば、あらためて恥ずかしさがこみあげ、顔が真 的っ赤に染まってゆく。

絶頂のあと、しばらくして正気を取り戻した奈緒に、オルガスムスの余韻に浸っている暇はなかった。力の抜けきった身体に鞭を入れ、脱げたハイヒールもそのままで 逃げるように現場をあとにした。

「誰かにつけられていやしないか、何度も後ろを振りかえりながら、公園のなかにあ るトイレに隠れる。

ピンクローターをはずし、ディルドーを引き抜く。

黒かったシリ コンの棒は、濃密な牝汁にまみれて白くぬめり光っていた。 (あんなもの、捨ててしまおうかしら) セカンドバッグに入れた二つの淫具を思いだしながら小さなため息をつく。

クリトリスはすでに小さくなり鞘に隠れてしまっているが、膣口はいまだポッカリ と口を開いたまま、生ゴムのなかで喘いでいた。

(彼氏でも作ろう......) エスカレーションしつづける一人遊びをとめるには、もしかしたら一番よい方法な のかも知れないと考えながら、靴を失ったストッキング脚で歩いてゆく。

「最後の道を折れ、アパートに通じる私道に入ったときだった。見覚えのある後ろ姿 が目にとまる。

(あら、昇君......) その隣りには、セミロングの少女が寄りそうように歩いている。